ホーム  >  町政情報  >  町長室  >  町政執行方針  >  令和3年度町政執行方針

令和3年度町政執行方針

 

 Ⅰ 町政に臨む基本姿勢と予算編成方針

人口減少などの重要課題に対応していく、新たな指針として、「第6次江差町総合計画」などを基軸に据え、「誇りある暮らしを未来へ紡ぎ、みんなでつくる自分たちごとのまちづくり」を、江差に思いのあるすべての方々と共有しながらつくります。
 
新型コロナウイルス感染症対策を最優先課題とし取り組む主要施策の展開方向について、四つの柱に沿って申し上げます。

 

Ⅱ 主要施策の展開

(1)不幸ゼロのまちの実現

格差を生み出す要因を可能な限り取り除き誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らし、誰もが望まない要因の苦しみをゼロにしていくための施策です。
 
家庭の事情により子どもの学ぶ環境の格差を平準化することを目的に「子どもの未来応援事業」を創設します。校外での学びを望む児童生徒が、家庭環境によらず学べる環境づくりの一環として、要保護、準要保護家庭の子どもたちが放課後に通う学習塾等の経費について一部助成し、学習支援を推進します。
 
少子化の影響と施設の老朽化が著しい北部保育所の在り方について、町としての方向性を検討してまいります。また、水堀学童保育所については、課題などの整理をしたうえで検討を進めます。
  高齢者福祉につては、「江差BASEプラス1」を拠点とした活動の充実を目指すとともに高齢者自らが健康づくりに取り組める介護予防事業の定着を図ります。
 
認知症になっても住み慣れた場所に住み続けられるよう「認知症カフェ」を開催します。
 
地域の見守り体制として「チーム江差」の活動を充実させ、緊急通報システムの設置や除雪サービスといった高齢者の生活を支援する各種施策に取り組みます。
 
地域医療についは「地域医療連携推進法人南檜山メディカルネットワーク」を通じて医療スタッフの確保を含め持続可能な医療体制の構築に努めます。
 
全町民からの健康相談に対応できる仕組みを整備するため健康管理システムを導入するほか地域医療連携システム運営補助や、道南ドクターヘリ及び脳血管疾患救急搬送の救急医療確保に対する支援を継続します。
 
新型コロナウイルスワクチン接種事業については、接種を希望する町民が安心して接種できるよう医療機関等と連携を図り接種体制の構築に努めます。
 
交通安全については、交通死亡事故ゼロの日2000日を達成し、その継続に向けた交通安全運動の普及啓発に努めます。悪質商法対策については、高齢者の電話による特殊詐欺、悪質商法等の被害未然防止に向けた取り組みを強化します。
 
サツドラホールディングス株式会社との連携事業に関しては、健康増進や介護予防分野を通じて、ICTを活用した行政サービスなど、民間のノウハウ等を活用し住民の福祉の向上を目指します。

 

(2)産業基盤の維持・強化のまちづくり

<未来への礎をつくる町政の推進>

 北の江の島構想の推進については、観光交流拠点に備える機能や整備方針を具体化し、民間企業へ支援・協力を募り着実に前進させます。
 
稼ぐ観光まちづくりの推進については、一般社団法人北海道江差観光みらい機構による、「体験観光」「情報発信」「地場産品の販路拡大」といった3本柱をより強固にします。さらにコロナ禍で人の往来が停滞する中、新しい生活様式を踏まえた江差らしい迎える体制の構築を進めていきます。
 
また、江差追分を通じて繋がる「キズナ」を大事にし、追分関係者や多くの町民が追分に親しむ機会を創出するための取り組みを進めるほか、東京オリンピック・パラリンピックでの取り組みとして、札幌市内のPR会場において江差追分を披露し広く発信します。
 
さらに、ホストタウンとして、大会終了後にアメリカの女子シッティングバレーボール団体を招聘し、選手との交流を通じて、町民の障がい者への理解と心のバリアフリーを促進します。

 

<地域産業力の強化と地域経済の活性化>
 農業振興については、生産性の向上を図りながら持続可能な農業経営を支えるため北海道が事業主体でスタートする「農業競争力強化農地整備事業」などについて、受益農業者の経営を後押しするための負担軽減と図ります。
 
水産業の振興についてはこれまで進めてきたナマコの種苗放流や増殖事業に力を注ぐとともに、新たにエゾバフンウニの種苗放流事業を実施し、磯根資源の維持増大に向けた取り組みの強化を図ります。
 
さらに、次の時代の江差の産業を担う人材の確保に向けて、新たに多様な人材が就業できる仕組みづくりのキックオフ事業として、都市部へPRしながら農漁業の「おためし地域おこし協力隊」を実施します。
 
林業の振興については、「江差町森林整備計画」に基づき、森林環境譲与税基金を活用し、林政アドバイザー制度に関する業務を檜山南部森林組合に委託し、森林管理制度の適切な推進に努めるほか、木育事業の実施や地場産材の活用について関係機関と協議を行います。
 
また、間伐や保育事業、野そ駆除事業等を計画的に実施し、継続的な町有林の適正管理、森林機能の維持・保全に努めます。
 
有害鳥獣対策については、狩猟免許の取得・更新費用、猟銃所持に係る経費を補助するなど実施隊員の確保に努めます。
 
「旧江光ビル跡地整備」に関しては、一年を通じて地域住民が集い活動する、住民の心身の健康づくりを支援する場として、住民生活を支える上町地区の中心的な施設整備を目指し、基本構想を作成したうえで、まずは基本設計に取り掛かります。
 
また、「持続可能な商店街づくり事業」を新たに設け、“商店の町から生活を支える町へ”をコンセプトに各種事業を展開します。
 
消費拡大・販売促進の取り組みとしては、地産地消・外商をキーワードに「地域産品営業プロモーション推進事業」を新たに実施します。

 

<地域・未来を担う人づくり>
  教育については、教育、文化及びスポーツに関する総合的な施策について、向こう5年間の新たな「江差町教育大綱」を策定します。
 
学校教育については、令和3年度から中学校において新学習指導要領が全面実施されるため学校における「働き方改革」の推進にも意を注ぎます。
 
給食センターの改築については、令和48月の供用開始に向け事業を進めるほか、江差小学校屋上防水工事や同じく高圧受電盤改修などを行いながら安心して学べる環境づくりを進めます。
 
社会教育については「江差町社会教育施設長寿命化計画」をベースとしながらも、各施設の状況を把握し、トータルコストの縮減及び予算の平準化を図りつつ、社会教育施設の求められる機能・性能を確保します。
 
文化会館については、屋上防水工事の2年目として、施設西側の改修を行います。
 
スポーツ振興では、ライフステージに応じた生涯スポーツに親しめる環境づくりを目指すほか、町内スポーツ少年団への活動支援を行うため、引き続き、江差町民野球場ラバーフェンスへの広告を募り、その収入の一部を充当します。
 
北海道有形民俗文化財「横山家」については必要かつ貴重な歴史的文化財資源であることは間違いありません。
 
早期に解決できるよう引き続き取り組みます。

 

<安全・安心の地域づくり>
 防災対策については、江差町防災ハザードマップの内容を更新し、町普通河川の浸水想定洪水ハザードマップを作成するとともに、防災備蓄品及び感染症対策資機材の整備を促進します。
 
また、町内会・自治会との連携による各種災害訓練等の取り組みを行うとともに、ごみの減量化と資源リサイクルの推進など循環型社会の構築に向けて、協働します。
 
空き家対策については、「空き家解体補助制度」の活用推進のため、倒壊の恐れのある危険空き家の解体除去に対する補助を行うとともに、利活用についての方向性を見出します。
 
消防・救急対策については、火災や救急救命用務など、迅速かつ的確な対応を図ります。

 

(3)地域を支える社会基盤の整備

町公共施設については、平成28年度に「江差町公共施設等総合管理計画」を策定してきたところですが、庁舎ほか未策定となっている施設についても個別施設計画を策定します。
 
道路整備については、JR廃線後の新設道路として整備をしている「砂川4号通り」について、完成、供用開始に向けて取り組んでいます。
 
また、新規の整備路線として、「五厘沢山崎線」の一部について道路改良工事に着手します。
 
河川については、2か年計画で「豊部内川」の河道堆積土砂の浚渫工事を実施します。
 
上水道事業については「水道ビジョン」に基づく浄水施設統廃合の一環として、引き続き「五厘沢浄水場」廃止に向けて、代替え設備となる「電気計装設備」などの整備を実施します。
 
また、老朽管の更新については、「朝日地区」の更新工事を実施します。
 
公共下水道事業については、引き続きストックマネジメント計画に基づく設備の更新工事を実施し、管渠整備は、新規未普及路線の整備として「円山地区」の工事を実施します。また、上水道老朽管布設替えと道路改良工事を実施します。
 
港湾については、引き続き江差港本港地区国内物流ターミナル整備事業と江差港予防保全事業を実施します。
 
町営住宅については、長寿命化改修工事として社会資本整備等総合交付金を活用し、2棟10戸の屋根・外壁工事を行います。
 
また、南が丘第2及び第4団地でシロアリが確認されていることからその駆除対策を実施します。
 
更に、浴槽が設置されていない住戸を募集する際には浴槽と給湯設備を整備していくことを試験的に行います。
 
都市計画については、「都市計画マスタープラン」、「立地適正化計画」に基づき、地域で支え合い安心して暮らせる環境づくりやコンパクトで持続可能なまちづくりを進めます。
 
住宅リフォームプレミアム商品券発行事業補助については、依然としてリフォーム需要が見込まれることや新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策としまして、引き続き実施します。
 
公園や広場などの遊具については、公園に限らず学校や北の江の島構想も含めたなかで遊具の設置を検討し、令和3年度は、小学校で現在利用を停止している遊具の撤去後にどのような遊具を整備したら良いか、学校や児童の意向を調査します。

 

(4)期待と信頼の組織づくり

令和3年度は、公共施設等の整備、維持管理・補修といった避けて通れない経費が引き続き多額になっていること、雇用形態の変化や社会福祉経費の増嵩といった要因が重なり、非常に苦しい財政状況ですが、将来にわたって地域に活気があり発展していくためのまちをつくりあげていく予算もまた必要であり、旧江光ビル跡地の活用や北の江ノ島構想の推進にかかる政策的経費も計上しました。
 
まちづくりの推進と財政健全化の取り組みは両方不可欠です。まちの将来のために、行政課題の解決を進めながらも、財政運営のあり方を模索してます。コロナ禍の今だからこそ、柔軟な発想と広い視野を持ち、前例踏襲や既存の枠組みにとらわれない大胆な意識の変革が求められており、新たな課題へ積極果敢にチャレンジする職員の育成と、高度化・多様化する町民ニーズに的確に対応できる組織体制の構築に取り組んでまいります。

 

Ⅲ 結び

 令和3年度において、町民の皆様、議会議員の皆様、団体や民間企業の皆様など、江差を愛するあらゆる皆様の「英知」を結集させ、そして、このコロナ禍という「逆境」を全身全霊で乗り越えて、江差の明るい未来を切り開いていく覚悟です。 

プリンタ用画面
前
令和4年度町政執行方針
カテゴリートップ
町政執行方針