和8年第1回江差町議会定例会の開催にあたり、江差町教育委員会が所管する教育行政の執行に関する主要な方針を申し上げます。
~信頼の回復・構築~
昨年度、町教育委員会に関わる複数の不祥事を発生させたことにより、地域の皆様はじめ関係機関の皆様の信頼を大きく損ねることとなりました。教育を取り巻く諸課題への取組を進める上で、皆様との信頼関係は必要不可欠なものです。教育行政に関わる一人ひとりが、法令はもとより服務規律を遵守し、現状や課題に誠実に向き合い、皆様との信頼の回復・構築に取り組み、江差町の教育を推進してまいります。
~新たな教育大綱・教育推進計画の下で~
令和8年度から新たな「江差町教育大綱」並びに「江差町教育推進計画」に基づく取組を進めることとなります。大綱が掲げる“子どもたちを誰ひとり取り残さず、町民の誰もが生涯を通じて学ぶ心を育む教育行政を推進する”との方針、計画が掲げる“歴史・文化に恵まれ、自然が豊かな江差の地で、広く世界を見つめ、心豊かに学び、ふるさと江差の未来(あす)を拓くたくましい江差人づくり”の実現に向け、関係機関の皆様並びに町長部局との連携を図り江差町の教育を推進してまいります。
~身近な足許の視線を大切に~
地方公共団体における教育行政には、教育の機会均等、教育水準の維持向上及び地域の実情に応じた教育の振興を図ることが求められております。江差町の様々な教育課題に取り組む中で、身近な足許からの視線・思考を大切に誠実に江差町の教育を推進してまいります。
以下、学校教育及び社会教育に関わる主要な施策を申し上げます。
本年度は、江差町教育大綱の見直し及び江差町教育推進計画を改定し、新たにスタートいたします。これまでの取組を振り返りながら、学びの現在地を的確に捉えるとともに、幼・保・小・中を繋ぐ「かけはしプロジェクト」を推進し、子どもの教育や保健・福祉に関わる「みんな」が、各年代の子どもの成長についての共有と適切な接続及び支援を行ってまいります。
はじめに、確かな学びの充実については、ICTを活用した授業実践が定着し、さらなる効果的活用が求められております。アナログとデジタルを融合した教育の実践、学習効果を高める教育環境の整備に努めてまいります。
豊かな心と健やかな体づくりについては、自己肯定感を育み、ウェルビーイングにつながるさらなる教育活動の充実のため、江差の人・自然・歴史・文化とつながり、五感を耕す「ふるさと江差発見学習」を推進してまいります。また、バランスの取れた生活習慣を整える力の育成に努めてまいります。
特別支援教育の充実については、子どもたちの持つ特性を理解し、充実した学校生活を送ることができるよう引き続き教育支援員を配置いたします。また、北海道医療大学との連携による専門的支援を実施いたします。昨年度から、巡回型の通級による指導を展開、個々の教育ニーズに応じたよりきめ細かな指導につながっており、引き続き充実を図ってまいります。
いじめや不登校については、日頃から学校現場において、子どもたちの小さな変化を見逃すことなく対応にあたっております。昨年度から、従来のいじめアンケートに加え、子ども理解支援ツール「ハイパーQU」を活用し、一歩踏み込んだ実態の把握に努めており、引き続き適切な対応を図るとともに、関係機関と連携し多様性ある学びの場の提供に努めてまいります。
教職員の資質の向上と働き方改革については、教職員の資質の根本である「信頼される姿」を構築すべく服務・規律保持を徹底し、子どもの成長に直結する指導に関わる資質・能力の向上を図るため、実践的指導力を高める研修を促進してまいります。 また、ICTの効果的な活用を通じた校務の効率化など、働き方改革の取組を進めてまいります。
安全・安心な学校づくりについては、昨年度はヒグマの出没が頻発し、子どもたちの安全確保と学びの保障が問われる事態となりました。新たな危機への対応に関わる学校への支援に努めるほか、防犯教育や1日防災学校などの防災教育の推進に努めてまいります。また、心の安心をつくる環境づくりに努めてまいります。
幼児教育の充実と連携については、幼稚園や保育園の園児と1年生の交流をはじめ、職員同士の交流による情報交換の場を設け、円滑な接続につなげてまいります。
学校給食については、各学校における食育授業の継続、新たな地場産品を活用したメニューの充実を図るなど、安全でおいしい学校給食の提供に努めてまいります。また、引き続き、給食費無償化事業を実施し、保護者の負担軽減に努めてまいります。
子どもたちの教育環境や、教職員の働く環境の整備は、教育効果を上げるための一番の近道であり、これまで、小学校への複合遊具の設置、町内全校へのエアコンの整備などを行ってまいりました。今後も施設・設備の計画的な整備や、教材・教具の充実などに努めながら豊かな学びが実現できるよう意を尽くしてまいります。
また、児童生徒の減少や特別支援学級の増加など、学校を取り巻く環境は大きく変化しております。その変化に対応するため、引き続き指導主事を3名配置し、学校に対するきめ細かい指導や支援を行い、将来を見据えた児童生徒にとって望ましい学校環境のあり方を検討してまいります。
社会教育は、学校教育活動以外における生涯学習の中核的役割を担っていることから、各世代の学習意欲に応じた学習活動や読書活動、スポーツ・文化活動の機会を提供していくことが必要です。
「江差町の子どもたちは、町民の手で育む」という想いのもと、各学校に設置された学校運営協議会の活動を通じて、子どもたちや教職員と地域の方の交流機会の拡大に努めてまいります。
部活動の地域展開については、少子化による生徒数の減少から学校単位での部活動の維持が困難になってきており、子どもたちの継続的な運動・文化活動環境を地域全体で支えていくため、地域での受入先や指導者の確保など、関係団体や近隣町との協議を行い、地域での受入が可能な種目から地域展開を進めてまいります。
社会教育の推進として、「みんなで育てるえさしっ子運動」による青少年健全育成活動、PTAと連携した家庭教育の推進など、子どもの健やかな成長を支える取組をはじめ、成人を対象とした学習講座やシニアカレッジ江差学園の活動など、各世代が楽しく学習・交流ができる機会の充実に努めてまいります。また、冬期間における子どもや親子が安心して遊びや交流できる場として、文化会館で「わくわく子ども広場」を引き続き実施してまいります。
図書館活動の推進として、幼児期から高齢者まで多くの町民が本に親しむ機会の拡大に向け、6万冊を超える蔵書を有する図書館の魅力発信を強化するとともに、企画展やイベントの実施、フリースペースの開放など、更なる利用促進に向けた取組を積極的に展開するほか、学校図書館の活動を支援してまいります。
誰もが健康で元気に心豊かな生活を送るためには、スポーツや芸術・文化活動の機会の充実が必要です。
生涯スポーツの推進として、運動公園などの体育施設の管理運営に加え、水泳やスキーに親しむことができる取組をはじめ、上ノ国町と共に連携協定を締結している北海道コンサドーレによるスポーツ教室の開催のほか、パークゴルフ団体やスポーツ少年団等各団体の活動支援など、地域のスポーツ環境の充実に努めてまいります。
文化振興の推進として、文化協会と連携し各団体の活動支援を行うほか、子どもたちの芸術鑑賞に親しむ機会として、小学校児童を対象とした影絵劇の公演を開催するなど、文化会館の利用促進に向けた取組を進めるとともに、施設の適切な維持管理に努めてまいります。
本町には数多くの文化遺産があり、これらの貴重な資源を後世に保存・伝承していかなければなりません。
文化財の保存・活用として、江差町歴史文化基本構想の具現化に向け、「エエ町、江差 宝箱会議」による「宝箱」の取組を進めるほか、文化財施設の適切な維持管理に努めてまいります。
博物館活動の推進として、郷土資料館の所蔵資料の整理を進め、北海道デジタルミュージアムでの公開や企画展の開催による博物館機能の充実を図るほか、地域の歴史文化の素材を学校授業で活かす「ふるさと江差発見学習」を引き続き支援してまいります。
「開陽丸」は歴史的に貴重な水中遺跡として、後世にしっかりと遺していくためには保存・活用に向けた取組を継続していくことが必要です。引き続き、海底で現地保存している大型船体の記録撮影や埋め戻しによる保存を順次進めるほか、遺跡の価値を高めるため、国の登録記念物への登録を進めてまいります。また、既に引き揚げられている遺物についても、引き続き資料整理や保存環境について調査を進めてまいります。
ある家を訪問していた時、2歳位の子が美味しそうに食べていた袋菓子を母親と話していたお客さんへ自ら笑顔で差し出し、その様子を見た母親が満面の笑みで大きく頷いている場面に遭遇したことがあります。何気ない幼児の行動を通じ、教育の大切さを感じる機会でした。
教育委員会は、各家庭で大切に育てられているお子さんの幼児・義務・高等教育にはじまり、文化・芸術・歴史・スポーツ等の社会教育や生涯学習において住民の皆様との深い関りを持つこととなりますが、教育の原点はていねいな日常の積み重ねにあります。
一人ひとりの学びや経験、知識をより深め、心身共に豊かで健やかな生活を実現できる江差町の教育を推進してまいります。
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令和7年度教育行政執行方針 |
教育行政執行方針 |
令和6年度教育行政執行方針 |
| 面積 | : 109.53km2 | (前月比) |
| 人口 |
: 6,384人 |
(-5人) |
| 男 |
: 3,081人 |
(-1人) |
| 女 |
: 3,303人 |
(-4人) |
| 世帯数 |
: 3,908世帯 |
(-2世帯) |
(令和8年2月末現在)